連載 FOCUS
実験動物作製におけるマイクロマニピュレーションの自動化システムの開発―生殖補助医療への導入の可能性を含めて
江藤 智生
1
,
田中 伸明
2
,
植田 裕基
2
,
秦 順一
1,3
1実験動物中央研究所
2日本精工株式会社
3国立成育医療研究センター
pp.1170-1173
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409210188
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はじめに
遺伝子改変技術は新たな実験動物の作製に不可欠な手法である.その手法の主たるものは胚や配偶子へのマイクロマニピュレーションであり,遺伝子改変のほか,繁殖・経代および遺伝子検査などにも応用されている.そして,マイクロマニピュレーションはマイクロマニピュレーター(MM)を用いて,受精卵へのDNA注入,胚への胚幹細胞の導入や胚の一部の採取などを行う技術である.
われわれは従来マニュアルで行われてきたマイクロマニピュレーションの半自動化に成功し,遺伝子改変動物の作製や繁殖の困難な実験動物の再現について新たな開発に成功したので,その概略を解説する.さらに,本手法の生殖補助医療(ART)への応用についても考察する.
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