今月の臨床 子宮全摘出術—私のコツ
腹式単純性子宮全摘出術
4.アルドリッジ法(筋膜内法)
山岡 完司
1
Kanji Yamaoka
1
1国立東京第二病院
pp.141-143
発行日 1993年2月10日
Published Date 1993/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901172
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
腹式単純子宮全摘出術は婦人科にて最も多く行われている手術である。腹式単純子宮全摘出術の際に起こりやすい合併症として注意すべきは,尿管,膀胱,直腸の損傷と出血である。これらの合併症を避けるべく術式の改善がなされ,1950年アルドリッチが筋膜内術式,または峡部内術式を報告した。この術式は普通の筋膜外の単純子宮全摘出術に対して,子宮下部,頸部を筋膜内にて剥離し子宮を摘出するので骨盤内陳旧性炎症,子宮内膜症などで子宮旁結合織の周囲,膀胱,ダグラス窩などの強固な癒着のため剥離困難な症例などでは,とくに安全な方法である。しかし筋膜の剥離がときに難しく,思わぬ所からの出血を起こすこともある。わが国でもその後,諸家が術式を改善し,多くの発表がなされている。われわれが行っている方法を注意点を指摘し手順を追って述べる。
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.