小児科 57巻5号 (2016年5月)

特集 日常診療でみる皮膚感染症 −診断・薬剤選択・予防

1.伝染性膿痂疹 長谷 哲男

2.毛包炎・せつ・癰 藤本 和久

6.癜風 清 佳浩

7.疥癬 吉住 順子

診療

脊柱側彎症の診断と治療 高相 晶士

最近の漏斗胸治療 岡和田 学

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症例は1歳6ヵ月男児で、第1病日38℃の発熱と倦怠感を訴え、第2病日に軽度の軟便があった。第3病日、咽頭発赤を指摘され、アモキシシリン内服を開始した。インフルエンザ迅速抗原検査は陰性であった。第4病日、便性状が水様となり、回数も増加した。高度の炎症反応があり、消化器症状を伴った。腹部CT検査で回腸末端周囲のリンパ末端のリンパ節腫脹および上行結腸の壁肥厚、ならびに虫垂腫大を認めた。自宅に井戸があり、家族にも同様の症状があったことから感染性腸炎が考えられた。全身状態不良なため、タゾバクタム/ピペラシリン投与と輸液、整腸薬投与にて経過観察した。第9病日、心臓超音波検査で右冠動脈の拡張があり、両側冠動脈の輝度は亢進していた。ガンマグロブリン大量投与とアスピリン内服を開始した。発熱と不定形発疹の2項目のみであったが、冠動脈瘤を合併したことから不全型川崎病と考えられた。Y.pseudotuberculosis 4b(Yp4b)に対するIgG抗体価及び抗YPM抗体上昇を認め、Yp4b感染症ならびに不全型川崎病に右冠動脈拡張症と診断した。

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症例は14歳男児で、40℃の発熱と右鼠径部痛が出現した。倦怠感と水分摂取不良も認め、精査のため入院となった。両下腿に擦過傷を多数認め、右下腿に痂疲の付着と浸出液を認めた。血液培養を採取し、セフトリアキソンにより広域抗菌薬治療を開始した。第2病日に右鼠径部から右大腿部にかけての疼痛が悪化、歩行困難を認めた。股関節MRIで右坐骨にT1WI低信号、T2WI・STIR高信号域を認め、右坐骨骨髄炎を疑った。また坐骨周囲の右内閉鎖筋・外閉鎖筋・大内転筋にもT2WI・STIR高信号域を認めた。股関節CTでは右坐骨結節に骨溶解像を認めた。血液培養でグラム陽性球菌を検出した。急性骨髄炎で頻度の高い黄色ブドウ球菌を念頭に、抗菌薬をセファゾリンとクリンダマイシンに切り替えた。第3病日に血液培養でA群レンサ球菌が陽性となり、A群レンサ球菌による右坐骨急性骨髄炎と診断した。第3病日よりアンピシリンに切り替え28日間の静脈投与を行った。第17病日に疼痛は完全に消失し歩行可能となった。第32病日に退院した。退院後1年現在は再発を認めていない。

基本情報

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小児科
57巻5号 (2016年5月)
電子版ISSN: 印刷版ISSN:0037-4121 金原出版

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