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特集 わが国の司法精神療法の展望
司法領域における対話的コミュニケーション――オープン・ダイアローグによる再犯予防の可能性にむけて
吉川 悟
1
1龍谷大学心理学部
pp.507-512
発行日 2026年8月5日
Published Date 2026/8/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt52040507
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はじめに
一臨床家で,現在大学での研究職となっている筆者は,家族療法やシステムズアプローチという一風変わった対人支援を研究する立場にある。個人の心理的内面などには関心を向けず,ただひたすらに人同士の関係のあり方そのものの変容にすべての意識を傾けた支援方法で,ある種の関係者支援,人間関係調整支援などなど,表現はいろいろできるのがシステムズアプローチである。しかし,その特徴のためか,近年司法関係者との接点といえば,「面会交流の促進」という文脈にかかわるものばかりで,辟易していた。
これまでの臨床活動において,少年事件当事者の社会復帰,薬物・傷害・ストーカー・家事事件などの関係者全体を含んだ動機づけの低いケースなどには,ワクワクして取り組んできた。家庭裁判所調査官や保護司を対象とした「本人への対応」と「その家族・関係者対応」についての知見の提供も,一般の臨床心理とは異なる視点からの要点を伝えてきた。
2018年に大学内の「犯罪学研究センター(n.d.)」との接点から,治療的司法関連の研究や再犯防止にかかわる臨床的可能性を検討したが,コロナ禍で研究が半ばとなったきらいがあったので,今回の提案に繋げられればと考えて本論を執筆した。その中でもリフレクティング以上に,オープン・ダイアローグの実質的な有効性を検証してきたので,その展開と刑法改正に繋がる夢物語としての可能性を論じる。

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