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第2特集 Patient Journeyと口腔管理・ケアの伴走
急性期・入院診療
-─誤嚥性肺炎,周術期,義歯管理から考える口腔管理・ケア
野原 翔太
1
1上野原市立病院 内科・総合診療科
pp.1261-1265
発行日 2026年9月1日
Published Date 2026/9/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2026100015
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はじめに
急性期患者の口を診ることは,単に口腔内の汚染を確認する行為ではなく,肺炎などの高齢者に多い疾患のPatient Journeyを見通す入口である.Patient Journeyとは,患者が疾患を経験し,医療にアクセスし,診断・治療を受け,退院後の生活へ戻っていく一連の過程を,患者の経験と医療者との接点を含めて捉える考え方である.たとえば,誤嚥性肺炎で入院した患者の口を診ることは,入院前の生活機能・食事状況,急性期の感染制御,食事再開,入院中のQOL,退院支援をつなぐ接点になる.
日本呼吸器学会『成人肺炎診療ガイドライン2024』では,「肺炎の予防に口腔ケアは推奨されるか」というClinical Questionが設定され,肺炎予防としての口腔ケアが弱く推奨されている1).口腔管理の重要性が説かれる一方で,口腔ケアの内容,対象患者,実施者,実施頻度は研究ごとに異なり,急性期入院中のどの患者に,どの介入を,どの職種が担うべきかは,まだ十分に標準化されていない.
本稿では,急性期・入院診療において「なぜ口を診るのか」を,誤嚥性肺炎,周術期,義歯管理の3つの場面から考える.口を診ることは,医師が歯科診療に携わることを指すのではなく,全身管理の一端である.急性期に口腔内問題を含む全体を評価し,看護師,歯科医師,歯科衛生士,言語聴覚士,管理栄養士へつなぐことで,入院中の治療,退院支援,再発予防へつなげていくことが重要である.

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