Japanese
English
全身性疾患と心電図
肺気腫の心電図
石見 善一
1
1虎の門病院循環器科
pp.2144-2146
発行日 1972年11月10日
Published Date 1972/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402204496
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心電図に肺気腫が与える影響
肺気腫は種々の因子を介して心電図に影響を与えるが,その第1は肺の含気量の増大,およびそれによる心臓の相対的な位置の変化によるものである.たとえば立位心,心尖の後方への移動,心臓の時針方向回転,低電位差などである.第2には肺気腫による肺血管床の変化のために肺血管抵抗の増大,ひいては右室肥大が起こることによるものである.これは心電図上右房あるいは右室肥大所見としてあらわれる、またさらに右室肥大は心臓の位置変化を増強させることにもなる.
しかし一般的にいって,肺疾患による右室肥大に対する心電図の診断的価値はあまり高くないとされている.これは肺疾患が多くは成人後に発病するため,右室肥大がかなり強くならない限り,左室優位の成人心電図に影響を及ぼし難いためである.ことに肺気腫自体では高度の右室肥大は起こりがたい.このため心電図に右室肥大所見があれば,右室肥大の存在は確実であるが,逆に所見がない場合には,右室肥大を否定する材料とはなり得ない.

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