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増大号特集 —キーワードから読み解く—これからの精神医学・精神医療の10の潮流
Ⅱ 精神医療の潮流を読み解くキーワード
1.当事者が主体の精神医療
潮流⑥ 当事者自身が取り組む治療
当事者研究
Tōjisha-Kenkyū
熊谷 晋一郎
1
1東京大学先端科学技術研究センター
キーワード:
共同創造
,
co-production
,
形骸化
,
tokenism
,
解釈的不正義
,
hermeneutical injustice
Keyword:
共同創造
,
co-production
,
形骸化
,
tokenism
,
解釈的不正義
,
hermeneutical injustice
pp.644-646
発行日 2026年5月15日
Published Date 2026/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.048812810680050644
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用語の定義
当事者研究とは,これまで医療や福祉,研究の対象として受動的な立場に置かれてきた障害や病気などの困難をもつ当事者が,自ら研究活動の主体となり,類似した困難をもつ仲間とともに自身の困難の解釈や対処法を産み出す実践を指す。研究する自分と,研究される困難を抱えた自分を切り離す「外在化」や,症状や逸脱行動とされる経験は,取り除くべき無意味なものではなく,未知の問題に対する意味ある自分助けとみなす「有意味化」などの枠組みをもつ研究プログラムである1)。また当事者研究は,多数派の言葉では説明しきれない少数派の経験を表す概念やフレーズを産み出し流通させることで,「解釈的不正義」(少数派の経験を解釈・伝達するための言葉が社会に不足している不公正)を是正する役割も担っている2)。

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