特集 老いと向きあう
健常な高齢者とは何か
中村 紀子
1
1中村心理療法研究室
pp.37-42
発行日 2026年2月5日
Published Date 2026/2/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt52010037
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老いのプロセスに心理学的データを用いてスポットライトを当てて,その肯定的な側面について論じるのが本稿の目的である。老いと向き合うにあたってこの肯定的な理解が,これまでの“老い”の現実とイメージを変貌させ,個人にとってより好ましい加齢のプロセスを実現できるようになることを期待している。これは,陸上競技男子100メートル競走で達成困難と考えられていた10秒の壁が破られた1968年以降,現在に至るまでに9秒台の記録を出す選手が増加していった様相に準えている。不可能が可能になるという現実を目の当たりにして個人の意識が変わり,また社会環境や社会からの期待の変化によって,時間がかかっても起こるべき肯定的な変化が起こって欲しいと願っている。

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