医療と福祉・3 順天堂大学眼科リハビリテーション・クリニック
「視力なき健常者」への道
松井 新二郎
1,2
1日本盲人カナタイプ協会
2東北大視覚欠陥学教室
pp.86-88
発行日 1976年3月1日
Published Date 1976/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541205862
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ご自身も中途失明者ですね
日華事変の徐州作戦で失明しました.直ちに東京の第一陸軍病院・戦盲病棟に送り込まれました.
そこには,各地の戦場で傷ついた兵隊が収容され,一応当時の第1級医療を受けていましたが,目が見えるようになって原隊に復帰していった人はあったにありません.傷痍軍人をだいじにするのは当時の国策として当然だったわけで,オーバーサービスとも思えるほどの手厚い看護を受けていました.ところが医師は失明宣告をほとんどしませんので,患者たちは治療への夢や期待を持ち続ける.そして,ひとつ治療を受けるたびに絶望を重ねていくのですが,光への望みはついに絶てないんです.
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