特集 老いと向きあう
老いを語り,老いを支える――回想と最期への整え
繁田 雅弘
1
1栄樹庵診療所
pp.43-46
発行日 2026年2月5日
Published Date 2026/2/5
DOI https://doi.org/10.69291/pt52010043
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はじめに
現代社会において,平均寿命の延伸は多くの人に長い「老いの時間」をもたらした。この時期は,身体機能の低下や社会的および家庭内役割の希薄化といった多くの喪失を経験する一方で,自らの人生を振り返り,その意味を再発見する重要な達成の段階と言える。この老いの過程に寄り添い,高齢者が自らの人生の物語を再構築し,心の統合を達成するための対話の場を,精神療法は提供することができる。本稿では,老年期の精神療法における「回想」「支持」「終末への準備」という三つの側面から,老いと向き合い,それを支える臨床的営みについて論じたい。

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