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I 「相談できない」状況を生む構造
「セクシュアリティ(性のあり方)のことで悩んでいます」と,子どもたちが自ら言葉にして相談してくれることは,ほとんどありません。むしろ,そう言えないからこそ,困難を抱え続けていることが多いのです。かくいう筆者自身も,幼少期から性別違和を抱えながら,それを誰にも相談できないまま,高校2年時に自殺未遂を経験したトランスジェンダーです。
認定NPO法人ReBit(以下,ReBit)が実施した「LGBTQ子ども・若者調査2025」(有効回答4,733名)によると,LGBTQの中高生の94.6%が,担任の先生にセクシュアリティについて安心して相談できないと回答しています注1)。その背景には,そもそも学校が安心できる場になりきれていない現状があります。同調査では,LGBTQの中高生の89.5%が,過去1年間に学校で困難やハラスメントを経験しており,そのうち63.8%は教職員に由来するものでした。具体的には,「LGBTQでないと決めつける言動」「不要な男女分け」「LGBTQをネタ・笑いものにされた」などが多く挙げられています。
さらに,LGBTQの中学生の40.1%,高校生の24.0%が,過去1年間にいじめや暴力を経験しています。また,過去1年間に不登校を経験したLGBTQの割合は,中学生で23.6%,高校生で10.2%にのぼります。文部科学省「令和5年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」と比較すると,LGBTQの中学生は3.5倍,高校生は4.3倍高い不登校率となっています注2)。学校が安心して過ごし,相談できる場になっていないことは,LGBTQの子どもたちの学びの機会が十分に保障されていない現状にも結びついています。
一方,家庭も必ずしも安全な場ではありません。87.6%のLGBTQの子ども・若者が,保護者との関係で困難を経験しています。学校にも家庭にも安心できる居場所がないことは,メンタルヘルスにも深刻な影響を及ぼします。10代のLGBTQのうち,過去1年間に53.9%が自殺念慮,19.6%が自殺未遂,42.2%が自傷行為を経験しています。日本財団の「第4回自殺意識調査」(2021)と比較しても,10代LGBTQの自殺念慮は3.3倍,自殺未遂経験は3.6倍,自傷行為は3.7倍と,いずれも高い割合です注3)。これは,まさに喫緊の課題です。
LGBTQの子ども・若者たちからは,次のような声が寄せられています注4)。

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