特集 看護
看護学校教育のあり方
湯槇 ます
1,2
1看護協会
2東京大学医学部衛生看護学科
pp.323-326
発行日 1960年5月1日
Published Date 1960/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201652
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看護教育に関する問題は,私共が看護の目標をもう一度再認識して,そこから速急にしかも深く追求していかなければならないものであると思う。それも私共が看護の立場から考えたいわゆる広義の看護とか,あるいは専門職としての身分の確立等の観点からのみではなく,看護の今日置かれている状態,いいかえればあらゆる角度からの看護に対する要求を認識した上で解決の方向へ進めていくべき問題ではないであろうか。
最近,保健医療上の要求の拡大に伴ない医療保障制度に関連する経済的な問題,業務従事者の機能のあり方,及びその教育等が強い論点となっている時,この複雑な事態の中における看護のあり方についても,看護の対象である一般社会,他の保健医療従事者,それに看護自身の立場,この3者からの要求をつなぎ合わせて,まず現実に直面し,必要性を見透し,更にそこから現在の制度其他の枠にとらわれず納得のいく形で方向づけをしたい。これを私共自身がすることには非常に意味がある。過去において私共は自分自身の責任についての決定をあまりにも他人任せでやってきたと思われるからである。
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