特集 若者を救えるか?
誰にも言えない家族のこと――ヤングケアラーの若者たちから学んだこと
朝比奈 ミカ
1
1市川市よりそい支援事業がじゅまる+
pp.580-584
発行日 2026年9月10日
Published Date 2026/9/10
DOI https://doi.org/10.69291/cp26050580
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I はじめに
筆者は,2004年に千葉県が創設した,対象を限定しない相談事業「中核地域生活支援センター」のうち,市川市・浦安市を担当する「がじゅまる」で,県内各地の仲間と一緒に包括的相談支援の実践に手探りで取り組んできた(~2023年3月)。2015年4月からは生活困窮者自立支援法にもとづく「市川市生活サポートセンターそら」(以下,「そら」)で,また2023年7月からは,社会福祉法にもとづく「市川市よりそい支援事業がじゅまる+(ぷらす)」(以下,「がじゅまる+」)で相談支援の実務にあたっている。
対象を限定しない相談支援では,複合的な課題を抱えた世帯全体の支援とともに,狭間に置かれた人たち,制度の対応につながりづらい人たちへの関わりに近接することとなった。その象徴的な存在が,10代後半以降の困難を抱える子どもたち,若者たちである。彼らは,複合的な課題を抱えた世帯においては家族のケアを担う「ヤングケアラー」として,また家族から自立したり家族の暴力や支配から逃げたりした後は「狭間に置かれた人たち」として,多くは社会的支援につながらず,困難な状況のなかを必死に生き抜こうとしていた。
以下で,相談支援の現場で子どもたち・若者たちから教えられたことや,筆者が考えてきたことを記してみたい。

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