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キャリアコンサルタントの視点から見た失業者の心理的ストレス―継時的変化から見たCOVID-19の影響
高橋 美保
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1東京大学大学院教育学研究科
キーワード:
COVID-19
,
失業者
,
ストレス
,
体験過程
,
キャリアコンサルタント
,
M-GTA
Keyword:
COVID-19
,
unemployed, stress
,
experiencing process
,
career-consultant
,
M-GTA
pp.612-622
発行日 2024年9月10日
Published Date 2024/9/10
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失業は時代や地域を超えて体験者の心理的なストレスになる。本研究はCOVID-19が失業者の心理的ストレスに及ぼした影響を検討することを目的とした。失業体験の継時的な変化を捉えるため,リーマン・ショック以降の再就職支援会社で失業者の就労支援をしているキャリアコンサルタント10名を対象にインタビュー調査を行うとともに,内8名が参加するフォーカスグループインタビューを行い,仮説モデルを生成した。結果,失業者の体験過程は就労者から離脱し「離職者」を経て,「失業者」と「求職者」の間を行き来しながら再就職を決めていくという相互作用モデルとともに,「無業者」となっていく人がいることも示された。また,COVID-19については従来の失業者の体験過程と大きな違いはなかったが,就活不安や孤独感,つながりを求める気持ちの高まりは見られた。一方,COVID-19の影響によりこれまでの働き方や生き方を見直すなど,ポジティブな影響も示唆された。
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