特集 大腸癌
セミナー フロントラインにとっての診療実践ガイド
炎症性腸疾患と大腸癌発症リスク管理
齊藤 詠子
1
,
長沼 誠
1
1関西医科大学内科学第三講座
キーワード:
▶UCの慢性炎症での腫瘍性病変の累積発生率は10年で3.3%,20年で12.1%,30年で21.8%である.
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▶長期罹患,左側以上の罹患範囲,PSCの合併がUC関連腫瘍のリスクとして知られている.
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▶多くのガイドラインではUCの初回診断から8年後よりUCAN発見を目的としたサーベイランスを開始することが推奨されている.
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▶内視鏡所見の特徴として,UCANは散発性大腸癌と比較して境界不明瞭な肉眼形態や腫瘍の多発傾向があることが知られている.
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▶UCANに対する治療では,病理診断において,HGDあるいは大腸癌が認められた場合には大腸全摘術の適応であることは世界的にコンセンサスが得られている.
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▶5-ASA製剤1.2g/日以上が大腸腫瘍発生リスクを下げることが報告されている.
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▶抗IL-23p19抗体製剤(ミリキズマブ,リサンキズマブ,グセルクマブ)とS1P受容体調節薬であるオザニモド,エトラシモドの5剤がUCの新規治療薬として使用可能となっている.
Keyword:
▶UCの慢性炎症での腫瘍性病変の累積発生率は10年で3.3%,20年で12.1%,30年で21.8%である.
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▶長期罹患,左側以上の罹患範囲,PSCの合併がUC関連腫瘍のリスクとして知られている.
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▶多くのガイドラインではUCの初回診断から8年後よりUCAN発見を目的としたサーベイランスを開始することが推奨されている.
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▶内視鏡所見の特徴として,UCANは散発性大腸癌と比較して境界不明瞭な肉眼形態や腫瘍の多発傾向があることが知られている.
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▶UCANに対する治療では,病理診断において,HGDあるいは大腸癌が認められた場合には大腸全摘術の適応であることは世界的にコンセンサスが得られている.
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▶5-ASA製剤1.2g/日以上が大腸腫瘍発生リスクを下げることが報告されている.
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▶抗IL-23p19抗体製剤(ミリキズマブ,リサンキズマブ,グセルクマブ)とS1P受容体調節薬であるオザニモド,エトラシモドの5剤がUCの新規治療薬として使用可能となっている.
pp.387-390
発行日 2026年3月1日
Published Date 2026/3/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.43.03_016
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はじめに
炎症性腸疾患inflammatory bowel disease(IBD)である潰瘍性大腸炎ulcerative colitis(UC)とクローン病Crohn‘s disease(CD)のわが国における患者数は増加傾向にある.毎年新たな分子標的薬が登場し,治療選択は増えているものの,IBDにはいまだ根治療法がないため,罹患年数の長い患者も増えている.IBDでは発症から8~10年で大腸および小腸癌の発生頻度が一般人口に比べ有意に高率になるとされている1).慢性持続性炎症を背景とした発癌は炎症性発癌として知られており,罹病期間が長くなることで増加すると考えられるIBD関連消化管腫瘍のリスク管理,サーベイランスが重要である.ここでは主にUC関連腫瘍ulcerative colitis associated neoplasia(UCAN)に関して紹介する.

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