特集 肺 炎
                        
                        
                
                  
                  
              
              
              
                  
                  
                  
                  
                            
                                    治療 肺炎治療の実際
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    細菌性肺炎の治療(院内肺炎と人工呼吸器関連肺炎)
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                掛屋 弘
                                            
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                  1大阪公立大学大学院医学研究科臨床感染制御学
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            キーワード: 
                            
                                
                                    ▶HAPは入院後48時間以上経過してから新たに発症した肺炎であり,入院時点で既に感染していたものは除外される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶HAP/VAPは市中肺炎と比較して薬剤耐性菌の検出率が高く,死亡率も高い.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶治療方針の決定には,重症度と耐性菌のリスク評価が不可欠である.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶誤嚥を介した病因の重要性を示唆する結果は,広域抗菌薬の慎重な適応を再考させる契機となった.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶気道検体のグラム染色および培養を活用して病原体の推定を行い,可能な限り病原菌に基づく治療を行う.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶重症度が低く耐性菌低リスクの場合は狭域抗菌薬を,重症度が高く耐性菌高リスクの場合は広域抗菌薬が選択される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶原因病原体が確認されたら速やかに標的治療へ移行することが重要であり,de-escalation治療が推奨される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶MRSAが喀痰から分離されても,必ずしも原因菌でない可能性があり,抗MRSA薬は一律には投与しない.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶VAPではグラム陰性桿菌をカバーする抗菌薬の選択が重要であり,多剤併用よりも単剤療法が推奨される.
                                
                                
                            
                        
                
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                                    ▶HAPは入院後48時間以上経過してから新たに発症した肺炎であり,入院時点で既に感染していたものは除外される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶HAP/VAPは市中肺炎と比較して薬剤耐性菌の検出率が高く,死亡率も高い.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶治療方針の決定には,重症度と耐性菌のリスク評価が不可欠である.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶誤嚥を介した病因の重要性を示唆する結果は,広域抗菌薬の慎重な適応を再考させる契機となった.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶気道検体のグラム染色および培養を活用して病原体の推定を行い,可能な限り病原菌に基づく治療を行う.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶重症度が低く耐性菌低リスクの場合は狭域抗菌薬を,重症度が高く耐性菌高リスクの場合は広域抗菌薬が選択される.
                                
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                                    ▶原因病原体が確認されたら速やかに標的治療へ移行することが重要であり,de-escalation治療が推奨される.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶MRSAが喀痰から分離されても,必ずしも原因菌でない可能性があり,抗MRSA薬は一律には投与しない.
                                
                                ,
                            
                            
                                
                                    ▶VAPではグラム陰性桿菌をカバーする抗菌薬の選択が重要であり,多剤併用よりも単剤療法が推奨される.
                                
                                
                            
                        
                
                pp.1734-1740
                
                
                
                  発行日 2025年11月1日
                  Published Date 2025/11/1
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.11_022
                
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はじめに
2024年に改訂された「成人肺炎診療ガイドライン2024」1)では,院内肺炎hospital acquired pneumonia(HAP)/人工呼吸器関連肺炎ventilator-associated pneumonia(VAP)を市中肺炎community-acquired pneumonia(CAP)や医療・介護関連肺炎とは明確に区別し,ICUを含む重症例への対応,診断精度の向上,抗菌薬選択の妥当性と適正な使用期間の設定など,臨床現場に即した実践的な推奨が示されている.また,「JAID/JSC感染症治療ガイド2023」2)では,耐性菌の動向を踏まえた抗菌薬選択や感染対策の視点からの具体的なアプローチが示されている.両ガイドラインに共通する概念は耐性菌抑制のための「抗菌薬適正使用」である.本稿では,これら最新のガイドラインの内容を踏まえつつ,HAP/VAPの疫学,病因,診断,治療戦略,ならびに感染対策の観点から,臨床医にとって実用的な知見を概説する.

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