今月の主題 炎症性肺疾患へのアプローチ
診断のポイントと治療
感染症
細菌性肺炎
本田 一陽
1
1東北大学医学部・臨床検査診断学講座
pp.234-236
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221522
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■診断のポイント
典型的な肺炎の診断は日常診療上さほど困難ではない.すなわち肺における臓器炎症反応の結果,悪寒,発熱,胸痛,咳嗽,喀痰,呼吸困難,チアノーゼなどが主症状としてみられ,理学所見ではラ音聴取,局所呼吸音の減弱が,また胸部X線写真でラ音聴取部位に一致した浸潤陰影が認められると,臨床的には肺炎と診断され,直ちに起炎微生物の検索が開始される。さらに非特異的炎症反応としてのCRP増加,ESR亢進,血清タンパク分画でのα2グロブリンやγグロブリン分画の上昇に加え,核左方移動を伴った白血球増多が認められれば,細菌性肺炎の可能性が強く疑われる.
しかし次のような非典型的臨床像を示す肺炎は無症候性肺炎(silent pneumonia)として看過されやすいので注意を要する.
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