特集 肺 炎
セミナー 肺炎診療のさまざまな側面におけるポイント
肺炎におけるsick contactの考え方
伊藤 功朗
1
1群馬大学大学院医学系研究科呼吸器・アレルギー内科学分野
キーワード:
▶感染様式には接触感染,飛沫感染,空気感染の3つがある.
,
▶指標に基本再生産数(R0)とは,ヒトへの二次感染性を評価する指標である.
,
▶麻疹ウイルスは特に感染力が高い.
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▶呼吸器感染症は,ヒト−ヒト感染による疾患が多く,sick contactの問診が重要である.
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▶COVID-19やインフルエンザでは,sick contactの問診が診断に役立つことがある.
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▶新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス,マイコプラズマは,主として飛沫感染すると考えられる.
,
▶肺炎球菌やインフルエンザ菌は保菌者から感染伝播する.主として接触感染が経路として考えられている.
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▶sick contactが重要な感染症は,感染症法で4類あるいは5類感染症となっていることが多い.
Keyword:
▶感染様式には接触感染,飛沫感染,空気感染の3つがある.
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▶指標に基本再生産数(R0)とは,ヒトへの二次感染性を評価する指標である.
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▶麻疹ウイルスは特に感染力が高い.
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▶呼吸器感染症は,ヒト−ヒト感染による疾患が多く,sick contactの問診が重要である.
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▶COVID-19やインフルエンザでは,sick contactの問診が診断に役立つことがある.
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▶新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス,マイコプラズマは,主として飛沫感染すると考えられる.
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▶肺炎球菌やインフルエンザ菌は保菌者から感染伝播する.主として接触感染が経路として考えられている.
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▶sick contactが重要な感染症は,感染症法で4類あるいは5類感染症となっていることが多い.
pp.1688-1693
発行日 2025年11月1日
Published Date 2025/11/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.11_014
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はじめに
感染症は病原体の体内への侵入により起こる疾患であるが,病原体の由来は環境,他人,ヒト以外の生物とさまざまである.ヒトからヒトへと伝染する呼吸器感染症は,小さなコミュニティで広がり終息するものから,大きく広がってパンデミックを起こすものまである.歴史的には,後者はスペイン風邪などのインフルエンザウイルスや,新型コロナウイルスのパンデミックがあり,また,かつて国民病とされた結核の流行は,わが国の結核死亡率にみてとれ,1950年には死亡率が10万人対146人と,疾患別で最大の死因であった.現代では高齢者の高い既感染率にその名残がみてとれる.ここでは,主にヒトから伝染する呼吸器感染症(肺炎)について,伝播様式や病原体に着目して概説する.

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