呼と循ゼミナール
sick sinus syndromeのbradycardia
中村 芳郎
1
1慶応義塾大学内科
pp.66
発行日 1975年1月15日
Published Date 1975/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202713
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sick sinus syndromeの名称が流行のように使われる以前,sinus bradycardiaは一般に良性でありasymptomaticと言って不思議ではなかった。この事実に変りはないと思うが,FerrerDが持続的で高度な,他に原因の考えられないsinus bradycardiaをこの中に含め,Rubensteinら2)もsick sinus syndromeの研究にあたって,心拍数毎分50以下の持続的で他に説明のつけられないsinus bradycardiaを1つのグループとしてとりあげている。ここで,具体的に,心拍数50という数に何か意味があるかどうかとなると疑問は多い。
Adames-Stokes syncopeの原因として,洞結節に異常があり,洞房ブロック,洞停止がある症例に対してsick sinus syndromeという名称を与えようとするならば,sinus bradycardiaに対してこの名称を与えることは全く間違ったことで,Rubensteinの例でも,症状のあるものは8例中3例になっている点おかしなことになる。
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