特集 関節リウマチ
セミナー 関節リウマチ患者を診療するうえでのポイント
関節リウマチと腎障害
上戸 壽
1
,
澤 直樹
1
1虎の門病院腎センター内科
キーワード:
関節リウマチと腎障害
,
▶RA患者のCKD合併率は24.5%と,一般人口(12.9%)の約2倍の頻度である.
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▶RA患者の高齢化が進行し,日本では60歳以上が70%を超え,加齢に伴う腎機能低下とCKDの重症化が問題となっている.
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▶RAの疾患活動性は腎機能低下速度と相関しており,腎予後改善には適切な疾患活動性のコントロールが必須である.
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▶CKD合併RA患者では,MTXの使用制限により治療選択が制約され,疾患活動性管理と治療選択の両立が課題となる.
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▶RAの治療進歩により,腎障害の病態は薬剤性膜性腎症やアミロイドーシスから,動脈硬化性病変を主体とする腎硬化症へと変化している.
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▶CKD合併RA患者の治療では,bDMARDが腎機能によらず使用可能であり,tsDMARDも用量調整により安全に使用できる新たな選択肢となっている.
Keyword:
関節リウマチと腎障害
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▶RA患者のCKD合併率は24.5%と,一般人口(12.9%)の約2倍の頻度である.
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▶RA患者の高齢化が進行し,日本では60歳以上が70%を超え,加齢に伴う腎機能低下とCKDの重症化が問題となっている.
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▶RAの疾患活動性は腎機能低下速度と相関しており,腎予後改善には適切な疾患活動性のコントロールが必須である.
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▶CKD合併RA患者では,MTXの使用制限により治療選択が制約され,疾患活動性管理と治療選択の両立が課題となる.
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▶RAの治療進歩により,腎障害の病態は薬剤性膜性腎症やアミロイドーシスから,動脈硬化性病変を主体とする腎硬化症へと変化している.
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▶CKD合併RA患者の治療では,bDMARDが腎機能によらず使用可能であり,tsDMARDも用量調整により安全に使用できる新たな選択肢となっている.
pp.1202-1207
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.08_013
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はじめに
関節リウマチ(RA)は,一般人口と比較して慢性腎臓病(CKD)の合併頻度が高いことが知られている.疫学調査では,RA患者の24.5%にCKDが合併する一方,一般人口では12.9%にとどまる1).RAにCKDが合併しやすい原因として,以下の点があげられる.

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