特集 関節リウマチ
セミナー 関節リウマチ患者を診療するうえでのポイント
リウマチ肺をどう診るか?
榎本 紀之
1,2
,
須田 隆文
1
1浜松医科大学内科学第二講座
2同 保健管理センター
キーワード:
リウマチ肺をどう診るか?
,
▶RAに合併する胸郭内病変は,ILD,気道病変,リンパ増殖性疾患,胸膜炎など多彩である.
,
▶RA症例の約11%にILDの合併を認める.
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▶RA診断時に合併したILDを見逃すと治療開始が遅延し,予後不良となるため,HRCTなどによるできるだけ早期のスクリーニングが必要である.
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▶ILDの重症度は,2024年改訂のIIPの重症度分類(安静時の動脈血酸素分圧,6分間歩行試験での最低SpO2)に照らし合わせて評価する.
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▶適切な免疫抑制療法下において,1年間での①呼吸器症状の悪化,②肺機能(FVC, DLCO)の低下,③HRCTでのILDの拡大のうち,2つを満たせば,PPFと判定される.
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▶PPFと判定された症例では,急速に肺機能が低下するため,早期に抗線維化薬(ニンテダニブ)追加も検討するべきである.
Keyword:
リウマチ肺をどう診るか?
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▶RAに合併する胸郭内病変は,ILD,気道病変,リンパ増殖性疾患,胸膜炎など多彩である.
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▶RA症例の約11%にILDの合併を認める.
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▶RA診断時に合併したILDを見逃すと治療開始が遅延し,予後不良となるため,HRCTなどによるできるだけ早期のスクリーニングが必要である.
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▶ILDの重症度は,2024年改訂のIIPの重症度分類(安静時の動脈血酸素分圧,6分間歩行試験での最低SpO2)に照らし合わせて評価する.
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▶適切な免疫抑制療法下において,1年間での①呼吸器症状の悪化,②肺機能(FVC, DLCO)の低下,③HRCTでのILDの拡大のうち,2つを満たせば,PPFと判定される.
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▶PPFと判定された症例では,急速に肺機能が低下するため,早期に抗線維化薬(ニンテダニブ)追加も検討するべきである.
pp.1197-1201
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.08_012
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はじめに
関節リウマチrheumatoid arthritis(RA)に関連する胸郭内病変は多彩であり,間質性肺疾患interstitial lung diseases(ILD),細気管支炎や気管支拡張症などの気道病変,リンパ増殖性疾患,胸膜炎などが合併する.特にILDは予後に大きく影響する合併症であり,免疫抑制薬や生物学的製剤を投与されることの多いRA症例においては,日和見感染症や薬剤性肺障害との鑑別がしばしば問題となる.RAは患者数も多いため,RAに伴う胸郭内病変も実臨床において経験する機会が多い.本稿では,RA症例における多彩な胸郭内病変,特に予後に大きく影響するILDを中心に概説する.

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