今月の主題 慢性関節リウマチとリウマチ周辺疾患
合併症と治療由来の随伴症への対応
慢性関節リウマチと肝障害
井出 宏嗣
1
,
橋本 幹生
1
1昭和大学医学部第1内科
pp.2456-2458
発行日 1995年12月10日
Published Date 1995/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402904281
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ポイント
●RA自体による肝障害は少ない.その肝機能異常はALPの上昇を示し,GOT・GPTの上昇を呈することは少ない.肝組織像は多くが非特異的反応性変化である.
●RAにおける肝障害に,自己免疫性肝炎と原発性胆汁性肝硬変の合併がある.それぞれ,持続性の肝機能異常とともに,各種自己抗体の検出と,特徴ある肝生検組織像を示す.
●NSAIDsによる肝障害は急性の肝細胞障害型で,多くは自覚症状を欠き,GOT・GPTの上昇のみを示す.メソトレキセート?による肝障害に,肝線維化と肝硬変が知られる.
●RAにおけるそれぞれの肝障害を理解しておくことは,特に治療の上で重要である.
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