特集 関節リウマチ
セミナー 関節リウマチ患者を診療するうえでのポイント
関節リウマチのX線の読み方
平田 信太郎
1
1広島大学病院リウマチ・膠原病科
キーワード:
関節リウマチのX線の読み方
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▶関節の構造的破壊は,関節リウマチにおける主要なアウトカムの一つである.
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▶X線画像は関節リウマチにおける関節破壊評価で確立されたモダリティである.
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▶関節リウマチのX線撮影は,診断・治療開始時,および半年~1年ごとの定点評価に適している.
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▶関節リウマチではRANKL活性化を介して,病的破骨細胞が骨破壊に関与する.
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▶関節リウマチではMMPが化学的に軟骨破壊に関与する.
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▶関節リウマチでは腱鞘滑膜炎の遷延による腱の脆弱化・部分断裂により関節アライメント異常が生じ,特徴的変形をきたす.
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▶X線異常の背景にある病理学的メカニズムを知ることは,関節リウマチのより深い病態理解に役立つ.
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▶関節リウマチでは,病初期から傍関節骨塩減少症/骨粗鬆症・骨びらん・関節裂隙狭小化が出現しうる.
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▶関節リウマチの病期が進むと亜脱臼・脱臼に至り,スワンネック変形,ボタンホール変形,尺側偏位,外反母趾/内反小趾などの特徴的変形を呈する.
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▶ムチランス変形は関節リウマチで最重症型の構造的破壊である.
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▶臨床試験ではmTSSによる関節破壊の定量的評価が用いられる.
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▶mTSSでは治療群と対照群での関節破壊進行度の客観的な比較が可能である.
Keyword:
関節リウマチのX線の読み方
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▶関節の構造的破壊は,関節リウマチにおける主要なアウトカムの一つである.
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▶X線画像は関節リウマチにおける関節破壊評価で確立されたモダリティである.
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▶関節リウマチのX線撮影は,診断・治療開始時,および半年~1年ごとの定点評価に適している.
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▶関節リウマチではRANKL活性化を介して,病的破骨細胞が骨破壊に関与する.
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▶関節リウマチではMMPが化学的に軟骨破壊に関与する.
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▶関節リウマチでは腱鞘滑膜炎の遷延による腱の脆弱化・部分断裂により関節アライメント異常が生じ,特徴的変形をきたす.
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▶X線異常の背景にある病理学的メカニズムを知ることは,関節リウマチのより深い病態理解に役立つ.
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▶関節リウマチでは,病初期から傍関節骨塩減少症/骨粗鬆症・骨びらん・関節裂隙狭小化が出現しうる.
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▶関節リウマチの病期が進むと亜脱臼・脱臼に至り,スワンネック変形,ボタンホール変形,尺側偏位,外反母趾/内反小趾などの特徴的変形を呈する.
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▶ムチランス変形は関節リウマチで最重症型の構造的破壊である.
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▶臨床試験ではmTSSによる関節破壊の定量的評価が用いられる.
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▶mTSSでは治療群と対照群での関節破壊進行度の客観的な比較が可能である.
pp.1191-1196
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.50936/mp.42.08_011
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はじめに
関節リウマチは,自己免疫機序による多関節の滑膜炎症と,それに引き続いて惹起される関節破壊(骨・軟骨破壊)と関節変形を特徴とする全身性疾患である.関節破壊は関節リウマチの発症直後から潜在的に進行し,早ければ発症後約半年までに単純X線画像で認識される程度まで進展する.関節リウマチに対する第一の治療目標は,薬物療法によって疾患活動性(炎症)をできるだけ早く臨床的寛解状態まで封じ込めることであるが,寛解の達成と維持によって初めて関節破壊の抑制と,関節機能の温存を目指すことが可能となる1).また,炎症を抑えることで,動脈硬化や血液腫瘍の進展も抑制されることが明らかとなっており,単に関節の疼痛と腫脹を除去するのみならず,生命予後の改善にも直結することに留意すべきである2).

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