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すかいらーくグループ(以下,当社)は1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を出店して以来,現在はグループ全体で20以上のブランドをもち,国内に合計3,167店舗を展開している(表1,図1).お客様数は年間延べ4億人であり,これは日本人口の3.2倍にあたる.年間4億人のお客様に提供するお食事などで使用する原料や加工品である,いわゆる「購買品」の総量は年間24万トンになる.また,自社セントラルキッチン(以下,工場)で製造する製品(以下,内製品)は約300品目で,その総量は年間10万トンである.この自社工場は全国に10ヵ所あり,うち9ヵ所は工場のほかに流通拠点も備えたマーチャンダイジングセンター(以下,MDC)として内製品製造と全国物流に対応している.当社はその事業規模を活かし,世界各国からよりよい原料や加工品を購入し,自社工場で製造し専用物流網で自社店舗に運び,調理して提供する流れを構築している(『垂直統合プラットホーム』と呼称).この『垂直統合プラットホーム』により,WHOの食品衛生定義「生育,生産,製造から最終的に人に摂取されるまでのすべての段階において,食品の安全性,健全性,および正常性を確保するために必要なあらゆる手段」で示された範囲を一括管理することが可能となっている.そして,これら購買から工場,流通,店舗,本部までを運用している従業員は10万人を超えている.当社はお客様を食品事故から守る仕組みとして,創業間もないころより『食品衛生自主管理体制』を構築し,常に検証・改善しながらこれを運用している.この『食品衛生自主管理体制』は,『食中毒・食品事故を起こさないための管理』と,『万が一発生してしまった時の対応』の2本柱で構成されている(図2).「KEY WORDS」すべてはお客様の笑顔のために,垂直統合プラットホーム,食品衛生定量管理,逃げるな・隠すな・嘘つくな,被害者救済・被害拡散防止・原因究明・再発防止,食品衛生問題レベル管理
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