薬物療法マネージメントのこつ
がん薬物療法による末梢神経障害(CIPN)への対策 ~手術手袋による効果について~
古武 剛
1
1京都大学大学院医学研究科乳腺外科学
pp.44-45
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.05.02_0044-0045
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日常臨床において抗癌剤による末梢神経障害(chemotherapy-induced peripheral neuropathies:CIPN)の症状緩和目的にさまざまな投薬がなされていますが,その効果については明らかでありません。投与される治療薬としてビタミンB₁₂製剤,プレガバリン,牛車腎気丸,デュロキセチン,非ステロイド性消炎鎮痛薬,オピオイドなどが挙げられます。しかし,実際に臨床研究で効果を証明されたものはデュロキセチンのみであり,2017年に日本がんサポーティブケア学会が出版した『がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き 2017年版』でも,他の治療薬についてはいずれも「有効性は明らかでない」としています(表1)1)。また,デュロキセチンについては眠気などの有害事象や抗癌剤との相互作用に注意が必要です。このようにCIPNの有効な治療方法が限られているため,主に原因となる抗癌剤の変更,減量,中止で対応しているのが現状です。
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