知っておきたい! がんサポーティブケア
9.化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)
華井 明子
1
1千葉大学情報・データサイエンス学部
キーワード:
化学療法誘発性末梢神経障害
,
しびれ
,
リハビリテーション
,
サポーティブケア
Keyword:
化学療法誘発性末梢神経障害
,
しびれ
,
リハビリテーション
,
サポーティブケア
pp.1060-1063
発行日 2025年9月15日
Published Date 2025/9/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034101060
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国内外の動向および背景
化学療法誘発性末梢神経障害(chemotherapy-induced peripheral neuropathy;CIPN)は,患者のQuality of Life(QOL)に長期的に影響を及ぼす頻度の高い有害事象である.CIPNは,手足のしびれ感を主症状とし,ときに年単位で異常感覚や疼痛が残存して転倒リスクや就労の阻害要因となるため,がん化学療法を終えた時期の臨床場面で合併症状として遭遇する可能性がある 1, 2).抗がん薬投与終了に伴い症状が軽減する場合もあるが,慢性疼痛を伴うCIPNの有病率は41.2%と報告されており,白金系抗がん薬で40.4%,タキサン系抗がん薬で38.4%と特定の抗がん薬で高い有病率を示し,またアジア人で有病率が高い傾向が示されている 3).その他累積投与量等の他,糖尿病や既存末梢神経障害の併存疾患がCIPNのリスク因子となる 4, 5).

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