Land-Mark papers in Oncology~エポックメイカーとなった論文~
「治療」早期からの緩和ケア
清水 千佳子
1
1国立国際医療研究センター病院がん総合診療センター乳腺・腫瘍内科 診療科長
pp.65-65
発行日 2019年3月30日
Published Date 2019/3/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.05.01_0065-0065
- 有料閲覧
- 文献概要
進行がん患者への,診断の早期からの緩和ケアチームの関与が生命予後を改善する可能性が示唆されたことで,専門を問わずオンコロジストの注目を集めた論文である。Massachusetts General HospitalのTemelらは,新しく進行非小細胞性肺癌と診断された外来患者に対して,腫瘍担当医による通常ケアと,診断時から緩和ケアチームが関与する「早期からの緩和ケア(early palliative care:EPC)」のランダム化比較試験を行った。主要評価項目は,Functional Assessment of Cancer Therapy-Lung(FACT-L)の肺癌用サブスケール(LCS)を用いたTrial Outcome Index(TOI)によるquality of life(QOL)のベースラインから12週目にかけての変化。このほか,気分に関する心理指標,電子カルテより終末期の積極的治療(死亡14日以内の化学療法,死亡3日以内のホスピスへの入院,ホスピスの非利用のいずれか1つ)の実施状況,生命予後が検討された。
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.