The review of clinical study
OlympiAD試験
増田 慎三
1
1国立病院機構大阪医療センター乳腺外科科長
pp.60-61
発行日 2018年8月20日
Published Date 2018/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.04.02_0060-0061
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OlympiAD試験は,わが国の患者さんの協力も得て参加した国際共同第Ⅲ相試験である。アンスラサイクリン系およびタキサン系の治療歴を有する,生殖細胞系BRCA1/2変異を有する転移性乳癌治療において,標準化学療法に比べ,オラパリブ(リムパーザ®)の無増悪生存期間(PFS)延長効果が証明され,HRQOLの有意な改善も示された。全生存期間(OS)改善効果,奏効期間の改善,貧血などの毒性対策,BRCA診断など課題はあるものの,ホルモン感受性,HER2状況の2×2で治療ストラテジーを組んできたこれまでの乳癌治療に1つの横断的な軸が加わり,新たな乳癌診療体制の幕開けとなる貴重な位置付けの試験となった。
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