The review of clinical study
Neo-Entrance試験
増田 慎三
1
1国立病院機構大阪医療センター乳腺外科科長
pp.64-65
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.02_0064-0065
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Triple negative乳癌(TNBC)の周術期における標準薬物療法レジメは,タキサン系およびアンスラサイクリン系抗癌剤の逐次投与である。さらなる治療成績の改善と同時に,タキサン系による末梢神経障害やアンスラサイクリン系による心毒性リスクの軽減は重要な課題である。BRCA 変異陽性やhomologous recombination deficiency(HRD)陽性の場合,platinum製剤の感受性が高いことが報告されている。エリブリンメシル酸塩(以下エリブリン,ハラヴェン®)は,特にTNBCの進行再発治療において生存期間改善効果を示し,神経毒性などの有害事象は少なく忍容性の高い抗癌剤である。Neo-Entrance(JBCRG-22)試験は,医師主導治験のプラットフォームで,これらの薬剤に注目した。術前化学療法の対象で,BRCA/HRD状況(カルボプラチンの併用)や治療反応(アンスラサイクリン系の回避)を利用した個別化のストラテジー(more effective, less toxic)の礎を,トランスレーショナルリサーチを併施しながら探索する。
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