特集 負荷機能検査法
濃縮試験・希釈試験
石井 当男
1
1東大第2内科
pp.962-965
発行日 1972年9月15日
Published Date 1972/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542907740
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腎臓の重要な役割の1つは塩分や水の排泄を調節することにより,生体の体液量および体液の滲透圧,電解質濃度などを一定の範囲に保持することである.水分摂取を制限された揚合や,発汗の著しいときには濃縮された尿が少量排泄され,多量の水分を摂取したときには大量の薄い尿が排泄される.このような尿の濃縮あるいは希釈には,腎臓の微妙な生理機構のほかに,下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモン(以下ADHと略す),副腎皮質ホルモンやその他の内分泌性因子,神経性因子,血行動態の変化など多くの因子が関係している.
腎の濃縮能,希釈能は,生体の体液の滲透圧の調節に関する機能なので,まず滲透圧の概念と,腎臓の濃縮・希釈の機序を説明し,次いでその検査法について述べる.
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