Land-Mark papers in Oncology~エポックメイカーとなった論文~
「治療」エリブリンの第Ⅰ相試験
南 博信
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学教授
pp.55-56
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.01_0055-0056
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海洋生物クロイソカイメン(Halichondria okadai)より抽出されたhalichondrin Bはチュブリンの重合阻害により強力な抗癌効果を示すが,自然界からの収量に限りがあった。効果を保ったまま構造を単純化し全合成可能としたのがエリブリン(E7389)である。これにより臨床試験が可能となり,エリブリンは乳癌および軟部肉腫において既存の治療よりも全生存期間(0S)を延長しKey drugとなった。1.4mg/m²を2-5分で週1回2週連続投与し,3週目は休薬するスケジュールで用いるが,これは4つの第Ⅰ相臨床試験により確立された。
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