誌上ディベート
HER2陰性乳癌の術前化学療法でpCRが得られなかった場合,術後補助化学療法を追加すべきか(JBCRG-04を念頭に) 「追加すべきでない」とする立場から
山中 康弘
1
1横浜市立市民病院腫瘍内科部長/外来化学療法室長
pp.36-41
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.01_0036-0041
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周術期(術前・術後)化学療法は,臨床的に確認できない微小転移を根絶することによって再発の危険を低下させる,あるいは再発までの期間を延長することにより,生存期間の延長を目的に実施されている1)。術前化学療法は,最初の治療として手術を実施することが適さない局所進行乳癌の患者に対して,腫瘍を縮小させて手術可能とする場合や,乳房温存手術を含め縮小手術を希望する患者に対して,原発巣を縮小させることでそれを可能とすることを期待する場合(いわゆるダウンステージング)に適応となる。その一方で,術前化学療法は,いわゆる生体内薬物感受性試験の側面ももっており,特にHER2陽性[HER2 positive(non luminal)]乳癌やtriple negative乳癌では,病理学的完全奏効(pCR)が予後に相関することが複数の報告から明らかにされている。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「追加すべきである」とする立場から/古武剛・「追加すべきでない」とする立場から/山中康弘
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