第2回神経病理懇話会 脳炎・膠質細胞
〔追加討論〕〔3〕追加討論及びそれへの答え
横井 晋
1
,
上村 忠雄
2
,
武谷 止孝
3
,
白木 博次
4
,
立津 正順
5
1横市大神経科
2横浜大神経
3九大精神
4東大脳研
5松沢病院
pp.91-94
発行日 1962年3月25日
Published Date 1962/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901875
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私自身それほど脳炎を見ているわけではない。昭和27年でしたか9年でしたか,そこにおいでの白木先生と一緒に流行時に見た程度である。だからあまり今のような該博なことは申せませんが,少し先ほどから問題になつているOligodendrogliaのことについて去年のやはり本学会で岡山の林道倫先生が臨床と病理の両方の面から,日本脳炎について非常に明確な解説をしておられた。その中で道倫先生は,まず脳で反応するのはOligrodendrogliaであるということを,はつきりとおつしやつておつた。その早いものに金属塩で媒染すると,きれいな封入体が見られるというようなこともおつしやつていられたと思う。私自身の経験はそこまでは行つていないが,二,三の標本で少しOligodendrogliaを見てみると,あまりよくないスライドでおわかりになりにくいかと思うが,この例はThalamusにたくさんのNekrosenherdのある限局性の壊死巣の例である。下のほうにあるOligodendrogliaのKernが少し明るくなつて,何か壊れていくような感じ。それから上のほうはあまりはつきりしないが,顆粒状にKaryorrhexisを起しているようなOligoclendrogliaが見られる。
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