誌上ディベート
HER2陰性乳癌の術前化学療法でpCRが得られなかった場合,術後補助化学療法を追加すべきか(JBCRG-04を念頭に) 論点整理
南 博信
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学教授
pp.31-31
発行日 2017年2月20日
Published Date 2017/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.03.01_0031-0031
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乳癌の術後薬物療法と比べた術前治療のメリットの1つに,効果を確認しながら治療できることがあげられる。また,手術標本で病理学的効果を知ることにより,その患者での予後予測に役立つ。今までの術前化学療法の臨床試験の解析から,術前治療により病理学的完全奏効(pCR)が得られた患者では無病生存期間(DFS)が長いことが示され,薬剤の評価系として術前治療を利用し早期に情報が得られるpCR割合をDFSなど真のエンドポイントの代替として利用しようとする動きもあった。その後の検討で薬剤レベルではpCR割合と予後がそれほど相関せず,pCR割合の高い薬剤が必ずしも予後を改善するわけではないことが判明した。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「追加すべきである」とする立場から/古武剛・「追加すべきでない」とする立場から/山中康弘
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