誌上ディベート
トラスツズマブ投与中あるいは終了後早期に再発したHER2陽性乳癌に対して,トラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセル併用療法を行うべきか? 論点整理
南 博信
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学教授
pp.33-33
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.02.02_0033-0033
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ほとんどのHER2陽性早期乳癌に対してトラスツズマブは術後治療の一部として投与される。一方,HER2陽性転移・再発乳癌に対してはトラスツズマブ+タキサン併用療法が行われてきたが,CLEOPATRA 試験1)によりトラスツズマブ+ドセタキセル併用(TD)療法にペルツズマブを併用することにより無増悪生存期間(PFS)も全生存期間(OS)も延長することが示されて標準療法が変わった。しかし,CLEOPATRA試験では術後療法におけるトラスツズマブが終了してから早期に再発した患者は除外されている。つまり,トラスツズマブ投与中あるいは終了後早期に再発したHER2陽性乳癌に対してはトラスツズマブ+ペルツズマブ+ドセタキセル併用(TPD)療法の有効性は厳密な意味では確立していないことになる。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「行うべき」とする立場から/向原徹・「行うべきでない」とする立場から/中島裕理/高野利実
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