誌上ディベート
n0 high-risk HER2陽性乳癌の術後治療でトラスツズマブの投与は1年必要か 論点整理
南 博信
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学教授
pp.33-33
発行日 2019年9月10日
Published Date 2019/9/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.05.02_0033-0033
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
HERA試験の解析,NCCTG N9831試験とNSABP B-31試験の併合解析により,HER2陽性乳癌の周術期における1年間のトラスツズマブ治療は確立した。HERA試験では腋窩リンパ節転移陰性例も半数近く含まれていたが,B-31試験は全例が腋窩リンパ節転移陽性例である。N9831試験も途中から腋窩リンパ節転移陰性例でも登録可能に変更されたが,実際にはほとんどが腋窩リンパ節転移陽性例である。また,HERA試験では化学療法を終了してからトラスツズマブを開始したが,N9831試験でトラスツズマブをパクリタキセル終了後に開始するより同時に開始したほうが治療成績がよいことが示され,現在ではトラスツズマブはタキサンと同時に開始する。したがって,現在の投与法は主として腋窩リンパ節転移陽性例のデータにより確立したといってよい。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「必要である」とする立場から/原文堅・「不要である」とする立場から/相原智彦
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.