誌上ディベート
術前治療によるpCRは薬剤の有効性評価の代替指標となるか? 論点整理
南 博信
1
1神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学教授
pp.35-35
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.01.02_0035-0035
- 有料閲覧
- 文献概要
早期乳癌の治療において術前化学療法は術後化学療法と比べて再発抑制効果を損ねず乳房温存割合を向上させるばかりか,個々の患者で治療効果を評価できる。術前化学療法により病理学的完全奏効 (pathological complete response:pCR)が得られれば,良好な予後が予測でき,術前化学療法の大規模臨床試験であるNSABP B-18試験およびB-27試験では,pCRが得られた患者では全生存期間のハザード比がそれぞれ0.32,0.36と大きく予後が改善した。pCRが無病生存期間,全生存期間の予後因子となることはメタ解析でも示されている。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「代替指標となる」とする立場から/増田慎三・「代替指標にはならない」とする立場から/荒木和浩/伊藤良則
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.