薬物療法マネージメントのこつ
発熱性好中球減少の予防up date
古武 剛
1
1京都大学大学院医学研究科乳腺外科学
pp.47-50
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.02.01_0047-0050
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「1 総論」化学療法を行う際に,最も注意を払うべき副作用の1つに発熱性好中球減少(febrile neutropenia:FN)があります。FNによるリスクは,致死的な敗血症を引き起こすリスクと化学療法の延期や中止により治療成績が損なわれるリスクなどです。国内外の学会からのガイドラインを参考に,あらゆる予防策を実践します。その1つとしてG-CSFの予防投与があり,本邦では2014年に持続型G-CSF製剤ペグフィルグラスチム(ジーラスタ®)が保険適応となりました。「2 ペグフィルグラスチムの特徴」ペグフィルグラスチムはフィルグラスチムのN末端にポリエチレングリコールを共有結合させ,化学療法の1サイクルごとに1回の投与でフィルグラスチム連日投与と同等の効果を発揮します。G-CSF予防投与には一次予防と二次予防があります。一次予防は化学療法の1サイクル目からFNを予防する目的でG-CSFを投与することです。二次予防は前サイクルでFNを生じた場合に次サイクルで予防的にG-CSFを投与することです。
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