誌上ディベート
センチネルリンパ節転移1個陽性の乳癌に対し腋窩リンパ節郭清を施行すべきか? 「施行すべきである」とする立場から
武井 寛幸
1
1日本医科大学大学院乳腺外科学分野/日本医科大学付属病院乳腺科教授
pp.36-41
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.02.01_0036-0041
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「歴史的背景」腋窩リンパ節郭清(以下,腋窩郭清)は1890年代にハルステッド手術において乳房,大小胸筋とともにen blocに切除する方法で開始され,その後約1世紀にわたりセンチネルリンパ節の概念が導入されるまで標準的治療として行われてきた。この間,1971年にFisher1)がNSABP B-4試験にてハルステッド手術,単純乳房切除術,単純乳房切除術+放射線治療の3群のランダム化比較試験を開始した。この試験の目的はハルステッド仮説に対して,局所治療の方法は生存率に大きく影響しないという代替仮説を証明するものである。この試験は腋窩リンパ節に着目すると,腋窩郭清,無治療,腋窩照射に該当する。この試験対象は臨床的リンパ節転移陰性症例だが,腋窩郭清郡での腋窩リンパ節転移陽性率は40%と高く,進行した症例が多く含まれていた。●本企画「誌上ディベート」は,ディベートテーマに対してあえて一方の見地に立った場合の議論です。問題点をクローズアップすることを目的とし,必ずしも論者自身の確定した意見ではありません。・論点整理/南博信・「施行すべきである」とする立場から/武井寛幸・「施行すべきでない」とする立場から/津川浩一郎
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