特集 Special Article:
内科医のための心理社会的治療 6.変化のステージモデルを用いた治療介入
武藤 岳夫
1
1国立病院機構肥前精神医療センター医長
pp.47-50
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.03.02_0047-0050
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「Summary」依存症は従来「否認」の病気と捉えられ、治療では疾患教育とあわせ、直面化をすることで否認の打破を目指してきたが、飲酒行動の変化に対する準備段階は個人差が大きく、必ずしも転帰は良好とはいえなかった。近年、人の行動変化への介入の指標として「変化のステージモデル」が提唱され、幅広い分野でその有効性が認められている。アルコール依存症をはじめとする物質使用障害の治療にこのモデルを応用することにより、患者を回復途上にある者と捉え、援助者が冷静に患者のステージを見定め、焦りや否定的な感情を持つことなく、ステージに応じた適切な介入が可能となる。依存症も慢性疾患の1つであり、内科医には依存症が疑われる患者に対し、専門医療機関との連携も視野に入れつつ、治療から脱落しないようなアプローチを期待したい。「Key Words」否認,行動変化,変化のステージモデル,慢性疾患
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