特集 Special Article:
内科医のための心理社会的治療 5.内科医のための動機づけ面接法
後藤 恵
1
1成増厚生病院診療部長/翠会ヘルスケアグループ精神医学研究所副所長
pp.41-46
発行日 2015年8月10日
Published Date 2015/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.03.02_0041-0046
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「Summary」動機づけ面接法は、治療動機のない患者に対して、動機を形成するための画期的な治療法である。従来、動機のないアルコール依存症患者は『底をつくまで飲む』しかないとされ、しばしば命をおとした。動機づけ面接法では患者の両価的な気持ちに働きかけ、断酒の決意と実行へ誘導する。共感的な温かい態度で面接し、患者と治療同盟を結び、現状の破壊された生活と希望的未来(または戻りたい過去)の生活を比較する。現実と希望の矛盾が大きく、その原因が飲酒にあると理解できれば、患者はみずから断酒を選ぶ。反映的傾聴を中心とする、4つの技術(OARS)が用いられる。患者の抵抗にあったなら、反映的傾聴によって受容し、その後、質問によって流れを変える。正面切って説得しようとすれば、患者の勝ち負け思考に抵触し、誤った行動を触発するからである。「Key Words」動機,両価的な気持ち,共感的な態度,治療同盟,反映的傾聴,抵抗
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