Japanese
English
特集 関わり合う脳
Ⅱ.親と子に関わる脳
ライフステージの変化に伴う養育行動の可塑的な制御
Neural underpinning of life-stage-associated plasticity in parental behaviors
宮道 和成
1
Miyamichi Kazunari
1
1理化学研究所生命機能科学研究センター比較コネクトミクス研究チーム
キーワード:
養育行動
,
エストロゲン
,
オキシトシン
,
神経回路
,
トランスシナプス標識
Keyword:
養育行動
,
エストロゲン
,
オキシトシン
,
神経回路
,
トランスシナプス標識
pp.42-46
発行日 2025年2月15日
Published Date 2025/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.037095310760010042
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養育行動は幼若個体の心身の健康な発達に重要な役割を果たし,哺乳類の存続に必須の行動である。しかし,養育行動には多くのリソースを必要とするため,ライフステージに合わせて適切な時期・対象に振り向けられる必要がある。多くの種において,自身の子が期待される時期になると,子への親和性が増すような行動上の可塑性がみられる。ラボマウスはこのモデルとして好適である。本稿では,子マウスに対する攻撃行動と養育行動とを制御する大脳辺縁系の神経細胞タイプと,その回路に関する現在の理解を概説する。次に,性ステロイドホルモンのエストロゲンと神経ホルモンのオキシトシンを中心に,親になるライフステージの変化に伴う養育行動の可塑的な制御を可能とする分子,細胞,神経回路メカニズムの研究における最近の進捗について議論する。
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