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第1土曜特集 統合失調症の未来――研究と治療
臨床
ライフステージに注目した統合失調症への心理社会的支援
-――AYA期を中心に
Psychosocial support for individuals with schizophrenia, focusing on their life stages
金田 渉
1
Sho KANATA
1
1帝京大学医学部精神神経科学講座
キーワード:
統合失調症
,
ライフステージ
,
AYA(思春期・若年成人)期
,
共同意思決定(SDM)
,
当事者・市民参画
Keyword:
統合失調症
,
ライフステージ
,
AYA(思春期・若年成人)期
,
共同意思決定(SDM)
,
当事者・市民参画
pp.601-607
発行日 2023年8月5日
Published Date 2023/8/5
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28606601
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本稿はライフステージという時間的視点を基軸に,統合失調症への心理社会的支援のあり方を検討した.個々の支援技法の解説ではなく,主に近年の知見を援用しつつ,支援態度の整理を目指した.統合失調症を持つ人への支援を試みるとき,人間の生活史に基づくライフステージ,病を持つ当事者の人生という複層的な時間軸を念頭に置く.統合失調症の自然経過モデルも有用な時間的視点である.21世紀に入り,統合失調症からのさまざまな回復(リカバリー)概念が再編成されてきた.寛解や社会機能の回復などの臨床的リカバリー,当事者の価値や回復のプロセスを重視するパーソナル・リカバリーなどである.昨今のメタ解析や前方視的コホート調査の結果から見て,両リカバリーの達成はいまだ十分ではない.本稿では,さまざまな時間的視点の適用例として,AYA(思春期・若年成人)期を取り上げ,望ましい心理社会的支援のあり方を検討した.さらに今後への展望として,当事者中心の支援,共同創造,当事者・市民参画などの鍵概念を解説した.
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