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早産児晩期循環不全 胎児期の副腎機能の変化と早産児晩期循環不全
内藤 喜樹
1
1鹿児島市立病院総合周産期母子医療センター新生児科
pp.26-29
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.08.02_0026-0029
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「はじめに」産児晩期循環不全は,出生後から数日以上が経過して呼吸循環動態が安定した早産児に,明らかな原因がなく血圧や尿量の低下などをきたす疾患である。脳性麻痺の主要な原因の1つである脳室周囲白質軟化症のリスク因子としての可能性も指摘されており1),その対応が非常に重要となるが,未だ原因不明である。しかし,①主に早産児に起きること,②血圧や尿量低下に加え低ナトリウム血症や高カリウム血症といった副腎皮質機能不全に類似した検査所見を呈すること,③昇圧薬や容量負荷に対し治療抵抗性を認める場合でもステロイド投与で速やかに改善することなどから,原因として早産児の副腎皮質機能が未熟なために起きる相対的な副腎皮質機能不全の可能性が指摘されている。そこで,胎児期に特有な副腎皮質ホルモンの生理学を理解することは本疾患の病態を考えるうえで重要と考え,成人との違いを示しながら,胎児副腎皮質の生理学について説明する。「Key words」早産児晩期循環不全,DHEA,DHEA-S,3βHSD,胎児期の副腎機能の変化
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