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無侵襲的出生前遺伝学的検査 無侵襲的出生前遺伝学的検査の基礎
関沢 明彦
1
1昭和大学医学部産婦人科学講座教授
pp.24-28
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.34449/J0055.08.01_0024-0028
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「はじめに」1997年,母体血漿中に胎児由来のcell-free DNA(cfDNA)が循環していることが報告された。以降,ポメラーゼ連鎖反応(PCR)法により母体がもたない遺伝子を母体血漿中cfDNAに増幅し,胎児遺伝子を同定することによる胎児診断が行われていた。そして,この方法を工夫することで胎児染色体数的異常を検出する研究が試みられたものの,解決できない状況が続いた。2008年,次世代シークエンサ(next generation sequencer;NGS)を用いた胎児染色体検査が報告されたことで,その可能性が確認できるやいなや,この分野の研究は一気に加速し,2010年10月に米国で無侵襲的出生前遺伝学的検査(non-invasive prenatal genetic testing;NIPT)として臨床応用されるに至った。そして,わが国においても,倫理的な議論の末,2013年4月から臨床研究として検査が行われるようになった。本稿では,検査の基礎的な面について解説する。「Key words」母体血漿中cell-free DNA,染色体数的異常,無侵襲的出生前遺伝学的検査,MPS法,SNPs法
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