TOPICS OF GI 消化器疾患のトピックス
第33回 薬剤性小腸粘膜傷害の病態と治療
藤原 靖弘
1
1大阪市立大学大学院医学研究科消化器内科学 教授
pp.63-66
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.17.01_0063-0066
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薬剤による病変の診断には①発症前の内服歴,②他疾患の除外,③中止による病変の治癒,(④再投与による再発)が必要である。しかしながら,薬剤性小腸粘膜病変の場合には,病変確認にカプセル内視鏡やバルーン小腸内視鏡が必要なことが多く,必ずしも容易でないことから,非ステロイド系抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drug:NSAID)や低用量アスピリン(low dose aspirin:LDA)以外の薬剤による小腸粘膜傷害のデータは少ない。一方,薬剤が小腸に与える影響には,粘膜傷害に加えて機能障害もあり,さまざまな程度の病変,消化吸収障害や運動障害などにより多彩な症状を呈することを理解すべきである(図1)。
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