MY STUDY ABROAD 海外留学から学んだもの
第3回
藤本 一眞
1
1国際医療福祉大学大学院 教授・副大学院長
pp.68-69
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.17.01_0068-0069
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私の留学のきっかけになったのは,米国生理学会でのポスター発表である。発表していると米国での直接のボスとなるPatrick Tso教授が質問にきて,30分くらいやりとりをした。そのうちに突然私のところに留学にこないかということになった。当時,私は食欲の研究をしており,Tso教授は消化吸収が専門であったため,両者の関連に興味があったようである。私は九州大学の第一内科に属しており,その時の研究室主任であり後に大分大学の内科教授になる坂田利家先生に相談したところ,まずは彼が訪問してみるということになった。その後尋ねてくれて,次の年から留学することになった。ルイジアナ州立大学Shreveport校の生理学教室で主任教授がD Neil Grander教授であり,消化管生理学の中心的施設の1つであり,慶應義塾大学,名古屋市立大学,京都府立医科大学などからも留学生が来ていた。この留学が私にとって生理学から消化器病学への転向の起点となった。Grander教授やTso教授をはじめとする研究スタッフは,みんな若く私よりも2~3歳年上や同年代が多かった。女房に相談すると即決で仕事を辞めて付いてくることになり,4人家族で米国南部に留学することになった。女房が留学中にルイジアナ工科大学の修士課程に入学し,修士の学位をとったことにはびっくりした。今回は,研究のことをよりも,私が経験した他の人とは違ったことに絞って学んだことを記載してみたい。
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