CLINICAL CONFERENCE 症例から学ぶ上部消化器疾患
第33回 胃inflammatory fibroid polypの1例
石井 克憲
1
,
春間 賢
2
,
末廣 満彦
1
,
勝又 諒
1
,
谷川 朋弘
1
,
浦田 矩代
1
,
河本 博文
1
,
藤田 穣
3
,
綾木 麻紀
3
,
眞部 紀明
4
1川崎医科大学総合医療センター総合内科2
2川崎医科大学・川崎医療福祉大学 特任教授
3川崎医科大学総合医療センター超音波・内視鏡センター
4川崎医科大学検査診断学(内視鏡・超音波)教授
pp.13-17
発行日 2021年10月30日
Published Date 2021/10/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.17.01_0013-0017
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胃inflammatory fibroid polyp(IFP)は消化管に発生する比較的稀な間葉系の腫瘍であり,一般には何らかの刺激に対する反応性病変で,非腫瘍性疾患と考えられている1)。胃では前庭部に好発し,検診のスクリーニング検査で発見されることが多いが,ときに消化管出血や十二指腸への陥頓による急性症状で発見されることもある2)。胃IFPは亀頭様の特異な形態を示すことでよく知られているが3),稀に悪性病変を疑わせる形態をとることもある4)5)。最近,Helicobacter pylori(H. pylori)感染との関連6),さらに家族集積を認める症例があることから7),platelet-derived growth factor receptor alpha(PDGFRA)geneの遺伝子異常が指摘され8),腫瘍性病変としても捉えられている疾患である。今回,胃前庭部に発生したIFP症例を提示し,IFPについての最近の話題を概説する。
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