今月の主題 非腫瘍性大腸ポリープのすべて
グラフ
inflammatory fibroid polyp
岡本 康治
1
,
蔵原 晃一
1
,
大城 由美
2
,
石橋 英樹
2
,
小林 広幸
2
,
川崎 啓祐
1
1松山赤十字病院胃腸センター
2松山赤十字病院病理部
pp.1196-1197
発行日 2013年7月25日
Published Date 2013/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113896
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概念・病態
IFP(inflammatory fibroid polyp)は消化管の粘膜下に発生する良性の疾患である.1920年にKonjetzny1)が,消化管に発生する原因不明の好酸球浸潤を伴う肉芽腫性病変を,polypoid fibromaとして報告したのが最初である.その後,さまざまな名称で報告されてきたが,1953年にHelwigら2)が好酸球浸潤のみにとらわれず炎症反応の反応性増殖の結果としてポリープ,隆起型を呈するものを“inflammatory fibroid polyp”と命名し,以降この名称が広く用いられている.
成因は,反応性の炎症性ポリープ様病変とする炎症説が最も有力で,現在では非腫瘍性ポリープの中に分類されている.近年,血小板由来増殖因子受容体α(PDGFRA)遺伝子の機能獲得性突然変異の関与が示唆されている3).
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