特集 CURRENT TOPICS 4th GAST SUMMIT JAPAN学術講演会ハイライト
ワークショップ:H.pylori除菌者を増やすための具体策 1 H.pylori感染胃炎保険適用を生かした方策
加藤 元嗣
1
1国立病院機構函館病院院長
pp.32-33
発行日 2020年2月20日
Published Date 2020/2/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0039.15.02_0032-0033
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日本における胃がんによる死亡数は近年低下の傾向が見られるものの,罹患数はいまだ横ばいである。世界的に見ると,各年代において胃がんの死亡者数は低下傾向にある。要因としては生活環境の変化や医療技術の進歩,およびH.pylori感染率の低下が挙げられる。しかし日本においては,人口構成の変化によって超高齢社会となり,80歳代のがん患者数が増加していることが罹患者数の減らない状況につながっている。一方,2000年度に消化性潰瘍へのH.pylori除菌療法が保険適用となり,2013年度にはH.pylori感染胃炎にも適応拡大となった結果,30年間およそ5万人で推移してきた胃がん死亡者数がようやく下がり始めている。近年は4万4千人まで減少してきており,疫学的な予測死亡者数に比して10%近い減少である。これは除菌療法の普及の成果と考えられる。
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